第405回振動談話会のご案内

2022年9月12日

 

          第23回秋季技術交流フォーラムのご案内

                   幹事  大阪公立大学        川合 忠雄

                  ヤンマーホールディングス株式会社    岡﨑 琢朗

 

  未だコロナが収束しない毎日ですが、例年通り「振動談話会」と「機械の音と振動研究懇話会」共催で、第23回秋季技術交流フォーラム講演会を行います。

皆様、是非参加頂けますようお願いします。

なお今回は対面方式の講演会ですが,参加受付は事前申し込み方式(締切10月14日)で機械学会関西支部ホームページからとなります。当日,会場での現金支払いはできませんので,ご了解ください.

 

               記

 

日本機械学会 関西支部 第 23 回秋季技術交流フォーラム

 

日時 2022年10月22日(土)10:00~17:10

場所 兵庫県立大学 姫路工学キャンパス(姫路市書写2167)

対面方式

次第:

10:00~12:30 各懇話会パラレルセッション

12:30~13:30 昼食

13:30~14:30 特別講演

14:40~17:10 各懇話会パラレルセッション

 

参加登録料

会員(協賛団体,懇話会会員含む) : 2,000 円(不課税) 関西支部シニア会会員 : 1,000 円(不課税) 会員外 : 4,000

円(税込) 学生 : 無料

※事前参加登録・参加費支払いが必要です。以下のURL記載のPeatix(ピーティックス)

より,10月14日(金)までにお申し込みください.

https://jsmekansai.org/Seminar/forum20221022.pdf

 

第405回振動談話会,第78回機械の音と振動研究懇話会

機械力学関連の受賞者フォーラム 司会 宇津野秀夫(関大)

14:40-15:10 「非線形波動変調に基づく接触型損傷検出の研究」

     田中 昂(滋賀県立大) 2021年度 日本機械学会奨励賞(研究)

15:10-15:40「二次定数の解析性に基づくマス・ばね・ダンパ系の波動解析・波動制御」

  長瀬 賢二(和歌山大) 2020年度部門賞 パイオニア賞、

                                                2019 年度 関西支部賞研究賞

15:40-16:10「結合自由度における自己コンプライアンス行列の

    Rank-One 摂動を利用した共振周波数の制御」

   松村 雄一(岐阜大)2020年度 日本機械学会賞(論文)

16:10-16:40「Structural health monitoring of layered structure by strain measurements」

           河村 庄造(豊橋技科大)2020年度 日本機械学会賞(論文)

16:40-17:10  「自動洗濯機の防振設計とモデル化 ー20年の研究を振り返ってー」

          辻内 伸好(同志社大)2020年度部門賞 学術業績賞

 

追)午前中にSDGs関連のフォーラムもあります.ご興味のある方はご参加ください.

 

講演概要

「非線形波動変調に基づく接触型損傷検出の研究」     田中 昂(滋賀県立大)

本研究は,機械や構造物に生じる面接触を伴う損傷(接触型損傷)を,損傷部における局所的な非線形現象(非線形波動変調)により生じる振動を計測、検出するものです.損傷を発生・進展させる低周波振動が作用すると,損傷部の接触状態変動が生じます.その結果,超音波振動が低周波振動に同期して変調します.本講演では,近年取り組んできた自励駆動型超音波振動を非線形波動変調に用いた接触型損傷評価法について紹介します.

 

「二次定数の解析性に基づくマス・ばね・ダンパ系の波動解析・波動制御」

  長瀬 賢二(和歌山大)

波動制御法は,モード制御法の適用が難しい,低減衰の振動モードが広帯域に密に存在するような柔軟構造物に対し,解析・設計の省力化や性能のロバスト化を実現するもう一つの枠組みとして期待されている.講演者はこれまでに,マス・ばね・ダンパ系を中心に,従来の調和解析に基づく議論に変わり,二次定数の解析関数としての性質に基づく波動解析・制御の議論の枠組みの構築を進めてきた.本講演では,その議論の概要と,今後の展望などについて紹介する.

 

「結合自由度における自己コンプライアンス行列のRank-One 摂動を利用した共振周波数の制御」  松村 雄一(岐阜大)

構造物の共振周波数を所望の周波数へ変更したい場合,どの部位の板厚をどの程度変更すればよいかなど,構造変更の必要量を求める必要がある。このとき,感度解析やSDM(Structural

Dynamic Modification)などの繰り返し計算に頼らずに構造変更を案出する方法には,十分に一般化されていないという課題が残されている。本講演では,全系共振に対する分系のモード特性の寄与を明らかにするという着眼に基づき,このような課題に挑戦した結果について紹介する。

 

「Structural health monitoring of layered structure by strain measurements」

           河村 庄造(豊橋技科大)

ひずみ測定を利用した階層構造物の健全性評価手法を提案した.壁の面内変形は,床によって壁の回転自由度が拘束されるため,変形が各階層に局所化されることを利用する.正常時にひずみが零に近い位置を定め,その位置のひずみを常時監視する.異常が発生すると,異常が発生した階層のひずみだけが有意な値を持つようになるので,異常発生階層が特定できる.数値例及び実験によって提案手法の有効性を示すことができた.

 

「自動洗濯機の防振設計とモデル化 ー20年の研究を振り返ってー」 辻内 伸好(同志社大)

約100年前に誕生した電気洗濯機は著しく進化し,DDモータのインバータ制御技術,流体バランサ技術を使ってドラム式やタテ型洗濯乾燥機も図書館並みに静かになり,共働き家庭でおこる夜中の洗濯も気にせず行うことができるようになった.講演者は約20年間,洗濯機の振動・騒音に関する研究に取り組んできた.「静かな洗濯機」の構造を支える様々な防振機構や防振設計にCAEが果たす役割について,研究室での研究の歴史を振り返って述べる.