第411回振動談話会のご案内

                             2023年9月13日(水)

 

 

      第24回秋季技術交流フォーラムのご案内

                  幹事  大阪公立大学   中川 智皓

                      三菱電機株式会社 中澤 大輔

 

  未だ暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょう。

さて本年も「振動談話会」と「機械の音と振動研究懇話会」共催で、第24回秋季技術交流フォーラム講演会を行います。

皆様、是非参加頂けますようお願いします。

 なお今回は対面方式の講演会ですが、参加受付は事前申し込み方式(締切10月13日)で機械学会関西支部ホームページからとなります。

当日、会場での現金支払いはできませんので、ご了解ください。

 

               記

 

日本機械学会 関西支部 第 24 回秋季技術交流フォーラム

 

日時 2023年10月28日(土)13:00~17:10

場所 大阪産業大学 (大阪府大東市中垣内 3-1-1)

   JR学研都市線「住道」駅からシャトルバス15分,「野崎」駅から徒歩15分

  https://www.osaka-sandai.ac.jp/life/access_map/access.html

次第:

13:00~16:00 各懇話会パラレルセッション

16:10~17:10 特別講演

17:30~19:00 懇親会

 

参加登録料

会員(協賛団体,懇話会会員含む) : 2,000 円(不課税)

関西支部シニア会会員 : 1,000 円(不課税) 会員外 : 4,000円(税込) 学生 : 無料

懇親会:5000円

※事前参加登録・参加費支払いが必要です。

以下のURL記載のPeatix(ピーティックス)より,10月13日(金)までにお申し込みください.

https://jsmekansai.org/forum/forum2023.pdf

 

第411回振動談話会、第81回機械の音と振動研究懇話会

 

「機械力学における最新の研究動向紹介」 [座長 宇津野秀夫(関西大)]

13:30~14:05 「開口端補正を考慮した減衰付きサイドブランチ・ヘルムホルツ消音器の最適調整」 山田啓介(関西大)

14:05~14:40 「動的問題における形状最適設計に関する研究」 呉 志強(滋賀県立大)

14:50~15:25 「圧電フィルムを用いた柔軟構造物の振動による風力からの微小電力環境発電」 西垣 勉(近畿大)

15:25~16:00 「非整数階微積分の振動制御応用」 黒田雅治(兵庫県立大)

特別講演

16:10~17:10  「太陽系宇宙航行用電気推進ロケットの開発」田原弘一(大阪産大)

17:30~19:00  懇親会

 

講演概要

「開口端補正を考慮した減衰付きサイドブランチ・ヘルムホルツ消音器の最適調整」山田啓介(関西大学)

 音場の共鳴が問題である場合には,サイドブランチ消音器またはヘルムホルツ消音器の共振を用いてそれを抑えることができる.これらは音場に対する吸振器に他ならないため,本研究では動吸振器の知見を基礎にして,減衰付きの消音器の最適調整に取組んだ.講演者自身が面白いと感じた内容は,実験で減衰は吸音材の線径と量で比較的簡単に調整ができたことと,対象外の固有モードの影響を考慮することにより,開口端補正を正確に行えたことの2点である.講演ではモード解析を用いて等価離散モデルを求めた上で,これらを説明する.

 

「動的問題における形状最適設計に関する研究」 呉 志強(滋賀県立大)

振動問題の解析や設計において、実験的手法が主要なアプローチであるが、

近年のコンピュータ技術の進歩により、数値解析の重要性が増してきた。

本講演は、数値解析を活用した動的問題における形状最適設計の研究に焦点を当てて紹介する。広い周波数帯域の振動を考慮した構造の形状設計においては、効率的な手法としてモーダル法の利用が一般的である。しかし,粘性ダンパーを有する場合,運動方程式の非連成化ができないため,モーダル法の適用が制約を受けることがある。本研究では、粘性ダンパーを有する構造が広い周波数帯域の加振力を受ける場合の振動抑制問題や変位規定問題に対し、モーダル法を基盤とした形状最適化解析手法を提案する。まず、最適化問題の定式化に加え、形状勾配関数の導出手法、汎用有限要素法ソフトウェアと独自のプログラムを組み合わせて構築した最適化プログラムの流れについて説明する。また、形状修正解析においては、H1勾配法(力法)の採用により、その理論的背景と特徴についても解説する。最後に、振動抑制を目的とした形状最適設計の数値例および変位規定問題に関する数値例を提示する。

 

「圧電フィルムを用いた柔軟構造物の振動による風力からの微小電力環境発電」 西垣 勉(近畿大学)

周囲の余ったエネルギーから微小な電気エネルギーを得る環境発電のうち、風力をエネルギー源とするケースでは、気流を乱す鈍頭物体(Bluffbody)を発電機に付け、旗形状の柔軟構造を渦共振させて圧電素子でエネルギー変換する方法がとられるが、低風速域での発電効率の向上と耐久性が問題となる。通常、鈍頭物体には剛体が用いられるが、本講演では振動構造と一体化させた柔軟円筒シェルを用いた著者らの方法について説明する。圧電フィルムを貼付した樹脂フィルム製円筒シェルを鉛直に立て、その上流端を固定支持し、円筒シェルの固有振動数と渦放出周波数が一致する場合に渦共振が起きて発電量が向上する。プロトタイプを用いた実験で数10?100μW程度の発電量が得られることを確認した。また、一様流中に置かれた柔軟円筒がカルマン渦により励振される現象の有限要素法による流体構造連成シミュレーションを実施し、剛体円柱の場合との比較や渦共振が成長する過程を確認することで発電機設計の指針を模索した。

 

「非整数階微積分の振動制御応用」黒田雅治(兵庫県立大)

  非整数階微積分の制御応用としては,古典制御のPID制御に応用した非整数階PID制御が存在するが,現代制御への応用は非整数階微分の状態空間表現で記述される系の安定性や可制御性・可観測性が不明であったため研究が滞っていたが,1990年代後半にD.Matignonらによって解明されたことにより応用が可能となった.磁気浮上系とは,鉄球のような磁性体を磁気力によって空中に非接触で浮上させるが,電圧制御では系への入力が電圧で,出力が鉄球と電磁石間のギャップ長および回路の電流の2自由度の系であり,入力電圧が直接ギャップ長に作用しない劣駆動系でもある.さらに,磁気浮上系は非制御下では不安定であり,電磁力と回路の電気的特性は著しい非線形性を有する.そこで,本研究では,不安定系を安定化させるために現代制御のLQR制御と非線形性に強いとされる非整数階微積分を組み合わせた非整数階LQR制御を用いて,磁気浮上系を安定制御し,平衡位置とは異なる目標値へと追従制御する.